Jimmy Page & Robert Plant / Shepherds Bush 1998 Multitrack Master / 2CD

Jimmy Page & Robert Plant / Shepherds Bush 1998 Multitrack Master / 2CD / Wardour
Translated Text:
Live at Shepherds Bush Empire, London, UK 25th March 1998 STEREO SBD

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ペイジ・プラントのシェパーズ・ブッシュ・エンパイアと言えば1998年の超定番サウンドボード録音。シングル「Shining In The Light」のカップリングで小出しされていたところから全長版が流出して一気にポピュラーな存在と化したもの。現在では当日のオーディエンス・ショット映像にアフレコされたものが非常に有名であり、当店からもギフト・アイテムとして出されたことがあります。マニアであれば音源あるいは映像のどちらから接せられたはず。
「今更98年のシェパーズ・ブッシュ?」と思われるマニアの方が多いのではないでしょうか。もちろん、当店としても単なるシェパーズ・ブッシュを限定のプレスCDにてリリースするはずがありません。実のところ、これまでのシェパーズ・ブッシュは流出の段階でカセットのダビングを何度か介して出回ったものでした。1998年ともなればデジタルの録音が当たり前な訳で、そこにアナログのジェネレーションが入れば当然ながら音質が落ちてしまう。それでもシェパーズ・ブッシュが1998年ツアー定番の一つになり得たのは、一重にサウンドボード録音だったからに他なりません。

ところが今回、独自のルートからアナログ・ダビングを一切介さないデジタル・マスター音源を入手。元がサウンドボードですのでクリアネスがずば抜けた録音状態な訳ですが、そこにアナログ劣化のない状態で収録されたピュアなデジタル・サウンドボードは鮮烈の一言。一皮どころか二皮もむけたのではないと思えるほど向上したクリアネスが圧巻。そのあまりのアッパーぶりに、今や95年や96年以上に見過ごされてしまった感のある98年ツアーが新鮮に映ること間違いなし。
中でも名手マイケル・リーのドラミングが左右を駆け巡る録音バランスが音源の魅力であった訳ですが、そのスティックさばきが鮮やかなステレオ感で楽しめる点は、一聴すると過去のバージョンとはミックスが違うのか?と思わず錯覚しそうになってしまうほど。ヘッドホンで再生してみれば、今回の驚異的なアッパーぶりをいとも簡単に実感してもらえるでしょう。98年は他にも優れたサウンドボード録音が存在していますが、ツアー開始後もっとも初期のショーを捉えたSBDとしての価値は今も色褪せず、遂に決定版と呼べるバージョンが2017年になって登場してくれたのです。

ショー自体はまだツアー開始から間もない段階ということもあり、前半の演奏は硬さが見え隠れしています。そんなバンドの雰囲気が伝わってくるのもサウンドボードならでは。元々98年のツアーはアルバム「WALKING INTO CLARKSDALE」のプロモーションという命題がありますので、95年や96年のようなZEPナンバーの目まぐるしい変動が当たり前だったセットリスト展開は起きていません。オープニングのパターンなどはその時の一番ポピュラーなセットリストをそのまま継続したようなもの。
しかし「No Quarter」などはその時のツアーと違ってZEPバージョンの雰囲気へと戻ったアレンジが施されているのが魅力でしょう。ところがこの日はこの曲辺りまでのプラントの歌が今一つ。これもまたサウンドボードだからこそリアルに伝わってくる訳ですが、中でも「No Quarter」は声が出ていない。夏のアメリカなどではもっと歌えていたことを考えるとなおさら。
ところが「WALKING INTO~」からのスローな新曲「When I Was A Child」からプラントがみるみる内に調子を上げていく様子もこれまたリアルに記憶されています。そして先のシングルにも収録されていた「How Many More Times」からはバンドが一丸となった素晴らしい演奏を披露。98年のツアーはこの曲が取り上げられたことが大きな話題となっただけでなく、連日の演奏が素晴らしい出来を示していたことも忘れてはならないでしょう。ペイジのまるで1969年にタイムスリップしたかのようなプレイも素晴らしい。以降はさすがの白熱ぶり。
ライブ終盤は「Crossroads」が演奏されていたことに注目が集まりがちな音源でもありましたが、今聴いてみれば「Most High」と「House Of Love」という二曲の「WALKING INTO~」が出色の出来。ペイジとプラントの二人からしてみれば、ニューアルバムの新曲ということで歌や演奏に力が入るのは当然だと言えます。それにしても迫力のある演奏であり、98年の二人が目指そうとしていたロック・サウンドがよく解るというもの。そしてツアー序盤ならではの活気が伝わってくるのもサウンドボード録音ならでは。ここまで繰り返してきたように、元々が音質の優れた音源ではありますが、今回のアッパーぶりには思わず聞き惚れてしまうのではないでしょうか。これぞ98年シェパーズ・ブッシュの決定版です。

★既発はカセット経由。本作は、関係者からもたらされた、初のマルチトラックのデジタルマスターからで、音質は飛躍的にアップグレードしています。
Disc 1 (58:36)
1. Egyptian Intro. 2. The Wanton Song 3. Bring It On Home 4. Heartbreaker 5. Ramble On
6. Walking Into Clarksdale 7. No Quarter 8. When I Was A Child 9. Going To California
10. Tangerine 11. Gallows Pole 12. Burning Up

Disc 2 (56:46)
1. Babe I’m Gonna Leave You 2. How Many More Times 3. Most High 4. Whole Lotta Love
5. House Of Love 6. Cross Road Blues 7. Thank You 8. Rock And Roll

STEREO SOUNDBOARD RECORDING

Jimmy Page – Guitars Robert Plant – Vocals Charlie Jones – Bass
Michael Lee – Drums Philip Andrews – Keyboards

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