Jeff Beck, Paul Rodgers & Ann Wilson / San Diego 2018 / 3DVDR

Jeff Beck, Paul Rodgers & Ann Wilson / San Diego 2018 / 3DVDR / Uxbridge

Translated text:
Live at Mattress Firm Amphitheatre, Chula Vista, CA, USA 22nd July 2018

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重鎮3人による超豪華カップリング・ツアー“STARS ALIGN TOUR 2081”。その現場を極上体験できる傑作映像が登場です。
本作に刻まれているのは「2018年7月22日サンディエゴ公演」。“STARS ALIGN TOUR”は7月18日から8月26日まで全27公演で北米をサーキットしており、本作はその4公演目にあたる。3組のオーディエンス・ショットをそれぞれディスク1枚ずつに配して完全収録した3枚組です。それでは、各アーティストの映像を個別にご紹介していきましょう。

【ディスク1:アン・ウィルソン】
まず登場するのはアン・ウィルソン。“STARS ALIGN TOUR”は基本的にジェフ&ポールがダブル・ヘッドライナー。アンはオープニング・アクト的な立場で、彼女だけ持ち時間も約45分ほどでした。オープニングだけに日の高い時間帯の出演で、まだ客席もまばらな状態での開演となりました。
そんなショウを収めた本作のクオリティは、目を見張るほどに極上のオーディエンス・ショット。開始早々、右斜めからステージ全景を捉えたアングルが目に飛び込みますが、それも束の間。どんどんズームしていき、撮影ポジションが分からないほど接近していく。実際、近寄っても近寄ってもまだズームが続き、「どこまで寄るんだ!?」と思うほど。結局、アンのバストアップが画面からハミ出し、マイクに吠える歯並びまでハッキリ分かるほどのドアップまで迫る。ワンカメ・オーディエンスにも関わらずプロショットにも負けない見応えなのです。
そのクオリティで描かれる熱演が素晴らしい! ジェフやポールはキャリアを総括するようなセットでしたが、アンはカバー主体。オリジナルは「Barracuda」とソロの「Fool No More」に留め、他はすべてカバーソング。そのラインナップも多彩で、THE WHOの「The Real Me」「Won’t Get Fooled Again」を配し、その合間にYESの「Your Move」やTHE BLACK CROWESの「She Talks to Angels」を披露していく。中でも注目なのは発売迫る新作『IMMORTAL』の収録曲。このアルバムは近年亡くなったミュージシャン達へ捧げられており、本作でも2015年に亡くなったレスリー・ゴーアの「You Don’t Own Me」やグレン・フライを偲ぶ「Life in the Fast Lane」、クリス・コーネルに捧げる「I Am the Highway」が演奏されるのです。
それぞれに想いのこもった熱唱を聴かせてくれますが、白眉なのは「Your Move」。ジョン・アンダーソンは男声にしては驚異的に高いエンジェリック・ヴォイスですが、それに対してアンは女声ならではの自然にしてパワフルな歌声。本家よりもロックな力強さをたっぷりとまき散らすバージョンに仕上げています。

【ディスク2:ジェフ・ベック】
続いて登場するのはジェフ・ベック。ジェフのステージも明るいうちに始まりますが、1曲1曲を重ねるほどに闇が深くなる。美しき女性チェリスト、ヴァネッサ・フリーバーン・スミスを迎えた深遠な新アンサンブルに加え、幻想的な光景を極上クオリティで目撃できるわけです。
そして、見事なカメラワークがもっとも輝くのがこのディスク。アンもポールもほとんど主役だけに的を絞っていますが、ジェフはバンドの呼吸感もバッチリ押さえている。ジェフのストラトが画面に入りきらないほど手元をズームしたかと思えば、曲やシーンに沿って自在に見どころを押さえる。バトルが過熱するシーンでは思いっきり引きいて交感を捉え、ジミー・ホールが熱く歌い込めば表情のドアップ。ロンダ・スミスの鮮やかなソロもグイグイと寄って手元の超アップで描くのです。話題のヴァネッサ嬢は半身がアンプの影に隠れているのですが、「Mna na h-Eireann」辺りから撮影者も彼女のポジションを把握。美しい表情をドアップをしっかりと見せてくれる。そのすべてが最新デジタル機材の威力を見せつけるような映像美です。
そんなクオリティで描かれる最新型JEFF BECK GROUPがまた絶品。カップリング・ツアーだけに欧州に比べると短いセットではありますが、その分美味しいどころの濃縮感と途切れない緊張感が素晴らしい。昨年、女性デュオBONESと組んだステージは違和感スレスレの新味でしたが、今年は正調ジェフ・サウンドのまま芳醇化。ヴァネッサ嬢のチェロは「Mna na h-Eireann」や「Cause We’ve Ended as Lovers」を甘美に彩りつつ、決して甘ったるいだけではない。「Stratus」や「Big Block」ではヘヴィネスを演出し、厳とした暗黒感さえ漂わせる。しかも、押しと引きの案配も絶妙で「Just for fun」もファンキーなパートではコード感の装飾音に徹し、後半のインプロヴァイズ・パートになると一気にギター&ベースとバトルを繰り広げる。実に見事なアンサンブルがたっぷりと楽しめるのです。

【ディスク3:ポール・ロジャース】
ギター・レジェンドに続いて登場するのは、歌の伝説ポール・ロジャース。このショウのメインアクトでもありました。本作は3組とも同じ撮影者によって記録されており、ポジションやクオリティ、カメラワークのセンス、果敢なズームももったく同じ。統一感たっぷりに豪華カップリングを本生体験できます。
そして、そんなポールのショウは、王道ド真ん中。FREEの50周年を祝う『FREE SPIRIT』をリリースしたばかりですが、FREEの50周年は同時にポールのデビュー50周年でもある。“STARS ALIGN TOUR”ではFREEナンバーにBAD COMPANYも加え、彼のキャリアのハイライトを14曲に濃縮して披露してくれるのです。
そんなセットを披露するポールの不変ぶりが恐ろしい。十代でデビューした彼も今や68歳を迎えたわけですが、その伸びやかな歌声は黄金期を彷彿とさせる。幾多のベテラン・シンガーを見る度、“かつての面影”を探しては「年齢を感じさせないね」と思う事に慣れてしまいましたが、ポールは違う。もちろん、声が擦れることもなくはないのですが、他のシンガーとは次元の異なる歌声をたっぷり聴かせてくれるのです。さらに見た目のイメージも変わらない。髪はだいぶ白くなったものの、それさえやっと歌の渋味に近づいたような感じ。「Wishing Well」で客席を眺めてはニヤッと笑う表情の何とカッコイイ事……。時空を超えた歌声とパフォーマンスにじっくりと浸りきれる70分間なのです。

今は亡きミュージシャン仲間達の人生を祝福するアン・ウィルソン、進化の歩みを緩めないジェフ・ベック。そして、キャリア50周年を謳歌するポール・ロジャース。ロック史に伝説を刻んできた3者それぞれの最新ステージを丸ごと本生体験できる極上セットです。合計2時間57分に及ぶロック・レジェンド、どうぞ存分にお楽しみください。

Disc 1(43:37)
ANN WILSON

1. The Real Me 2. Barracuda 3. Fool No More 4. Your Move 5. She Talks to Angels
6. I Am the Highway 7. You Don’t Own Me 8. Life in the Fast Lane 9. Won’t Get Fooled Again

COLOUR NTSC Approx.44min.

Disc 2(63:50)
JEFF BECK

1. Pull It 2. Stratus 3. Nadia 4. You Know You Know 5. Morning Dew 6. I Have to Laugh
7. Lonnie on the Move 8. Mna na h-Eireann 9. Just for fun 10. Little Wing
11. Big Block 12. Cause We’ve Ended as Lovers 13. Brush with the Blues
14. Superstition 15. A Day in the Life 16. Going Down

COLOUR NTSC Approx.64min.

Disc 3(68:39)
PAUL RODGERS

1. Little Bit of Love 2. Can’t Get Enough 3. Wishing Well 4. Feel Like Makin’ Love
5. My Brother Jake 6. Ready for Love 7. Walk in My Shadow 8. Mr. Big
9. The Stealer 10. Woman 11. Fire and Water 12. Shooting Star 13. Rock ‘n’ Roll Fantasy
14. All Right Now

COLOUR NTSC Approx.177min.(Total)

Uxbridge 874

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