Black Sabbath / Battle Of Gods / 1CD

Black Sabbath / Battle Of Gods / 1CD / Non Label

Translated Text:

Studio Rehearsals 1991 & Tony Iommi Demos. Taken From The Original Master Cassette Tapes Belonged To Cozy Powell.

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サバス・ファン、いや世界中のハード・ロック・ファンにとって今年最強のタイトルが登場です。1991年に一瞬だけ存在した幻のドリームチーム「ロニー・ジェイムス・ディオ/コージー・パウエル/トニー・アイオミ/ギーザー・バトラー」によるBLACK SABBATHのリハーサル・テープが奇跡の発掘です!音質は最高クラスで、これまでの「Dehumanizer Rehearsals」「Reincarnation」とは全く被らない完全初登場の超高音質マスターです。「TYR」にともなうツアー後、コージーを擁するサバスにロニー・ジェイムス・ディオが復帰し、この奇跡のバンドが誕生しました。そして後の「Dehumanizer」となるアルバムを作っていく課程で残念ながらコージーが落馬事故を起こし、離脱を余儀なくされます。本作はコージーが離脱する前の、アルバム制作の初期段階の作曲リハーサルを新たに発見されたコージー・テープからダイレクトに収録しており、メンバー間のジャムセッションから色々な試みをしつつ、おぼろげながらも1つの未発表曲の形作られていく刹那が、直録りの超ダイレクトサウンドで存分に楽しめるのです!まさに、数あるコージー・テープ・タイトルの中でも群を抜く魅力とクオリティ。それでは、各トラックごとにご紹介しましょう。

「Studio Rehearsals 1991」

1. Unreleased Track #1
「Anno Mundi」のイントロや「Computer God」の中間部を思わせるアルペジオに導かれてテープがスタート。これはアイオミのメロディアスなフレーズが印象的なテイクで、1:00からはコージーとギーザーがヘヴィなリズムを織り成しています。(「DEHUMANIZER REHEARSALS」Disc 2に収録された「Unreleased Song」と同じリフながら、テイクはまったく別です)1:22で演奏を中断し、コージーやロニー(!)が「トニー!」とアイオミを呼ぶ声が聞こえます。まさに、このスタジオには4人の神々が顔を合わせている!

2. Soundcheck
いかにもスタジオらしい音合わせ風景。Smoke On The Waterっぽいフレーズ(ジャッジャッジャーくらい)をアイオミがつま弾き、ドラムが付いていきそうに瞬間では「このまま演奏してくれ!」と叫びたくなります。

3. Unreleased Track #2
再びUnreleased Track #1のアルペジオリフをプレイ。リズム隊もしっかり加わるトリオバンドです。リフが変わり、曲は次の展開へ……と思ったのつかの間、1:20ほどでアンサンブルが崩壊してしまいます。

4. Unreleased Track #3
前トラックに続く形で演奏再開。印象的な曲のメインリフが登場、2:02から2:25あたりまでメランコリックなアルペジオパートを挟み、2:55秒辺りからいよいよロニーが登場!メロディを探るように仮歌を綴っていきます。「DEHUMANIZER REHEARSALS」で聴けるものの原型といった感じで、メインリフとアルペジオを繰り返しながら、主旋律を産み出そうとしています。まさに、メンバー間のジャムセッションで楽曲の形ができていく課程。サバスの曲作りプロセスが耳元で繰り広げられていきます!結果として未発表に終わり、名前も不明な曲ですが、それだけに聴くファン側からも、この曲がどのように成長していくか予想が付かない。4人の神々と歩を揃えて曲を見守っていく至福の刻。喩えようのない快感です。

5. Unreleased Track #4
メンバーの談笑から三度アルペジオ・リフがスタート。このテープでは最初からインスピレーションを待つかのように繰り返しこのフレーズを演奏しており、曲を産み出す足がかりにしようとしているようです。

6. Unreleased Track #5
前トラックからリフを弾き続けるアイオミ。しかし、今度はロニーがかたわらで静かに歌い出します。そして1:00からギーザーとコージーのリズムが加わってメイン・リフへ! なんとドラマティック!サバスらしさの肝となる劇的なリフ展開はこうやって生まれるのか!さらに快調に曲は進み、転調パートでも全員参加でロニーも歌い続ける。曲は6分ほど続き、曲の全体像が見えてきました。歌はまだまだラフですが、「DEHUMANIZER REHEARSALS」の「Unreleased Song」の体裁が整ってきているのがはっきりと判ります。6:11で演奏をストップし、アイオミがリフをつま弾きながらの相談タイムに移ってテープは一旦終了。

7. Unreleased Track #6
突然の録音再開は曲の途中から。ロニー不在のインストバージョンながら、演奏は練度を上げ、かなり自信を持ってきた様子が聴き取れます。しかし、途中で録音が停止。

8. Unreleased Track #7
コージーが「Computer God」のイントロに似たフレーズを叩いてスタート。しかし、先ほどまでと同じ曲で、1:08からメイン・リフに移ります。曲の進行や展開を確認して煮詰める段階と思われ、中間部のメロディアス・パートに転調も含みつつ、インストで4分ほど演奏されます。

9. Unreleased Track #8
コージーのリズムにアイオミがリフを乗せるところからスタート。1分弱で演奏が崩壊、未発表曲の探索はここで終了します。

10. Computer God #1
ここからは一転、Computer Godの初期セッションが収められており、1テイク目はイントロのドラムパターンから曲ラストまで通しで収録。ここまでは未発表曲の成長過程が興味深いテイクでしたが、こちらでは耳馴染んだ名曲のアレンジ違いで奇跡的な神々の共演が存分に堪能できます!その印象的なドラムイントロは若干シンプルではありますが原型がすでに聴かれ、改めてこの曲がコージーのスティックによって生まれたことが実感。曲全体もほぼ完成型に近い状態まで出来上がっていますが、中盤のアレンジがやや異なり、ロニーの歌詞・メロディは「DEHUMANIZER REHEARSALS」で聴けたものです。1:07頃からはジェフ・ニコルズと思われるキーボードも加わってきます(2:10くらいになるとより明瞭になります)。圧巻はアップテンポになる曲後半。「DEHUMANIZER REHEARSALS」ではほとんど歌っていなかったロニーがしっかりと全編歌い抜く! 仮歌、仮アレンジではありますが、ついに実現した4人の神々による完全演奏テイク!(6分40秒)

11. Computer God #2
アイオミの軽いサウンドチェックから、至福のComputer Godが再び!今回も音チェックを含む7分24秒のロングテイク。こちらも最初から完奏され、ロニーの歌はComputer God #1よりも明瞭に捉えられており、歌詞もはっきり聴き取れます。それにしても、コージーとギーザーの相性はなんと素晴らしいのか。コージーが大きな「間」でダイナミックに打ち、ギーザーのランニング・ベースが縫い合わせるように繋ぐ。「DEHUMANIZER REHEARSALS」ではロニーの歌唱が荒々しいイメージでしたが、このデモではUnreleased Track、Computer Godともにメロディアスなムードがあります。2曲とも、ギターのリフや進行に沿ってヘヴィに歌う場面が多かった完成版「DEHUMANIZER」とは対照的なメロディ構築であり、この路線のまま作曲を進めていけば、当時の日本のファンが想像し期待した、「ヘヴィになったTYR」や「DIOにアイオミ・コージーが参加」したような作品が産まれていたかもしれません。演奏終了後は約30秒間、メンバーの会話が収録されています。

12. Computer God #3
1分程のテイクですが、これまた凄い。テープはいきなりガチャ音と共に始まりますが、コージーがいつものドライブ感溢れるドラムから曲をスタートさせ、メンバー全員がそこに被っていくスリリングな風景を聴くことができます。曲後半のスピードパートを練習していたようで、演奏は30秒ほどでストップ。後はメンバーの楽しそうな談笑が数秒収録されています。

「Tony Iommi Demos」

ここからはもう1本別のコージー・テープを収録。アイオミが作曲用に録り溜めたリフテープです。アイオミは思いついたリフをテープに録音し、アルバム作りの初期段階で聴き直すようにしているそうです。このテープはコージーとの曲作りにおいて引っ張り出し、さらに思いつきを追加していった貴重なもの。ロック史上希に見る天才リフメーカーの源泉でもあり、コージーとアイオミが2人で曲を作っていた様子がアリアリと記録されているのです。

13. Guitar Riffs #1 (incl. a small section of “The Fallen” final track)
アイオミのリフ集その1。数種類のリフが登場する中、Dirty Womenの中盤らしきものも聴かれます。そこへ突然「Born Again」デモのThe Fallenが! 気になるのはこのThe Fallen、ピッチの低いバージョンであること。「Born Again」は制作過程のピッチが話題になりがちなので、これは謎解きの重要なヒントになるかもしれません。

14. Guitar Riffs #2 (various takes)
リフ集その2。ドラムのリズムをバックにしたヘヴィリフ、ライブのBlack Sabbathイントロで弾くようなアルペジオ・リフなど、様々ななリフやアイディアが雑然と放り込まれています。しかし、そのリフ1つひとつの素晴らしいこと!ここからパクリたいミュージシャンは星の数でしょう。やはりアイオミは天才です。

15. Writing session with Cozy Powell(Cozy taps & claps along with the rhythm)
最後はコージーとアイオミによる作曲セッション。4分の最重要テイク。2人の会話からスタートし、Nightwingと思われるリフに乗せてコージーがヒザや手を叩いてリズムパターンを作っていきます。テープの録音時期はハッキリとしませんが、これがNightwingの初期バージョンであるなら「HEADLESS CROSS」の作曲セッションということになります(1988年後半か?)。おそらく2人で顔をつきあわせながら楽しいムードで曲造りをしている様を捉えたもので、音質も最高。トニーのギターに聴き入っていたコージーが、次第に自分の膝や手を叩きながら盛り上がっていく様子が非常にクリアーかつリアルなサウンドで収録されています。ファンはここで号泣間違いありません・・・それだけ魅力的なテイクです!このラストトラックを聴くだけでも本盤を入手する価値絶対にあり。そして最後は2人で「お~、クール!」と笑って終了。実に和気藹々とした雰囲気で、共同作業を心底楽しんでいる。当たり前の話ですが、サバスの音楽を心から愛し、作り出していくパートナー同士だったのがハッキリと分かります。ユーモラスながら心温まる余韻を残してCDは終了します。

以上のように、全編マニア溜飲の聴き所だらけ。ブリティッシュロック奇跡の顔合わせが超クリアサウンドで聴けるだけでなく、想いを馳せるほど、考えを巡らせるほどに音の語る物語が次々と浮かんでくる録音です。震えるほど貴重で、時に微笑んでしまう記録。全編収録時間52分36秒。二度と戻らない「1991年の奇跡」が、限定プレスCDで緊急メモリアル・リリースです!

Studio Rehearsals 1991

1. Unreleased Track #1 2. Soundcheck 3. Unreleased Track #2 4. Unreleased Track #3
5. Unreleased Track #4 6. Unreleased Track #5 7. Unreleased Track #6 8. Unreleased Track #7
9. Unreleased Track #8 10. Computer God #1 11. Computer God #2 12. Computer God #3

Ronnie James Dio – Vocal Tony Iommi – Guitar Geezer Butler – Bass
Cozy Powell – Drums

Tony Iommi Demos 1988

13. Guitar Riffs #1 (incl. a small section of “The Fallen” final track)
14. Guitar Riffs #2 (various takes)
15. Writing session with Cozy Powell(Cozy taps & claps along with the rhythm)

 

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